日本語論文検索の新展開:arXiv、PubMedにERIC、RePEcが追加され、研究の幅が広がる,情報通信研究機構


日本語論文検索の新展開:arXiv、PubMedにERIC、RePEcが追加され、研究の幅が広がる

2025年6月11日、情報通信研究機構 (NICT) は、日本語での論文検索サービスを大幅に拡充し、研究者にとってより使いやすく、広範な情報アクセスを可能にするアップデートを発表しました。これまで arXiv や PubMed といった主要なデータベースをカバーしていたこのサービスに、新たに ERIC (教育資源情報センター) と RePEc (経済学研究論文データベース) が追加されたのです。これにより、教育学や経済学分野の研究者だけでなく、幅広い分野の研究者が日本語でより深く、効率的に論文を検索できるようになります。

今回のアップデートの意義

今回のアップデートは、日本の研究コミュニティにとって非常に大きな意義を持ちます。

  • 研究の裾野を広げる: ERIC の追加により、教育学分野の研究者にとっては、世界の教育研究に関する最新情報を日本語で手軽に把握できるようになります。また、RePEc の追加は、経済学分野の研究者が、世界中の経済学論文に日本語でアクセスできる道を開きます。これらのデータベースは、これまで日本語での検索が難しい場合もありましたが、今回の追加により、日本の研究者はよりスムーズに研究を進められるようになるでしょう。
  • 異分野融合研究の促進: 今回の拡充は、専門分野の研究者だけでなく、異分野の研究者にとっても大きなメリットがあります。例えば、教育学の研究者が経済学の視点を取り入れたり、経済学の研究者が教育学的なアプローチを試みたりするなど、異分野融合の研究を促進する可能性があります。
  • 日本語での情報アクセスの向上: 今回のアップデートは、日本語で論文を検索したいというニーズに応えるものです。英語論文に慣れていない研究者や、英語での論文検索に時間がかかる研究者にとって、日本語で必要な情報を効率的に見つけられることは、研究活動の効率化に繋がります。
  • 研究成果の国際発信促進: 日本の研究者が、日本語で論文を検索し、海外の最新研究動向を把握することで、日本の研究成果を国際的に発信する際のヒントや刺激を得られる可能性があります。これにより、日本の研究の国際競争力強化にも貢献することが期待されます。

各データベースの概要

  • arXiv (アーカイブ): 物理学、数学、計算機科学、定量生物学、定量金融、統計学などの分野のプレプリント(査読前の論文)を公開しているオンラインアーカイブです。最新の研究成果をいち早く把握するのに役立ちます。
  • PubMed (パブメド): 医学、生物学、生命科学分野の論文情報を網羅したデータベースです。世界中の医学研究者が利用しており、信頼性の高い情報源として知られています。
  • ERIC (エリック): 教育資源情報センターが運営する、教育学に関する世界最大規模のデータベースです。教育に関する様々な論文、レポート、会議資料などを収録しており、教育分野の研究者にとって不可欠な情報源です。
  • RePEc (レペック): 経済学の研究論文、ワーキングペーパー、ソフトウェアなどを網羅したデータベースです。世界中の経済学者によって作成されており、経済学分野の最新研究動向を把握するのに役立ちます。

まとめ

情報通信研究機構 (NICT) による今回の日本語論文検索サービスへの ERIC および RePEc の追加は、日本の研究コミュニティにとって画期的な進展です。より多くの研究者が、より効率的に、より幅広い情報にアクセスできるようになり、日本の研究のさらなる発展に貢献することが期待されます。今後の検索サービスの更なる進化と、それによる研究活動の活性化に期待が高まります。


日本語での論文検索:arXiv、PubMed にERIC、RePEcを追加


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